Phimai国立博物館は、
Nakhon Ratchashima県のPhimaiに
あります。
博物館前の池は、
遺跡と同年代につくられた
バライです。(右写真)
屋内の展示品は、写真撮影禁止ですが、
屋外の展示品は撮影可と言う事で、
屋外展示品について紹介します。
(屋外展示品は、本館の右手にある
屋根だけの建物内に多く置いて
ありました。)
右のまぐさ石の説明文には、
Phimai遺跡
にあった
「ハンサ(聖なるガチョウ)の上で
瞑想中の仏陀」と言う事です。
通常、ハンサは、
ブラフマー神の乗り物ですが、
ここでは仏陀が坐しています。
右のまぐさ石は、
説明文を拡大して見ると、
KIRTMUKHAの上で瞑想する仏陀と
あります。
KIRTMUKHAとは、カーラの事を
指します。
(食いしん坊のカーラは、
自分の体を食べた化け物です。)
右は、
ガルーダに乗るヴィシュヌ神です。
右は、説明文を見ると、
ラーマヤナ物語の一場面とあります。
Phimai遺跡から出土したものです。
ラーマヤナ物語の一場面と言われても、
ラーマヤナ物語を読んだのは昔の事で、
どの場面の事???
悪魔ラーバナの弟で
巨人のクンバーカルナ。
6ヶ月の眠りで1日だけ目覚める
身体になります。
しかし、6ヶ月経つ前に起こされた
クンバーカルナは、ラーマ王子の軍勢の
猿達に襲いかかります。
この場面???
Muang Tam遺跡
の主祠堂東面の
破風と説明が有ります。
アイラーバァタに乗るインドラ神です。
Muang Tam
遺跡の主堂東面の
まぐさ石と説明が有ります。
このまぐさ石は、
シバァ神のヒマラヤ王が、娘のウマーを
捧げ出している場面です。
Muang Tam遺跡の横の資料館にあった
説明図に「King of the Himarayas
giving his daughter Parvati(Uma) to
god Shiva」と説明がありました。
私が上村勝彦氏著の「インド神話」の中で読んだシヴァの結婚に関する話の要約は以下です。
シヴァは、妻のサティーを失った後、ヒマラヤで苦行を積んでいました。
それを知ったヒマラヤ王は、娘のウマー(サティーの生まれ変わり)に
シヴァの身の回りの世話を指示します。
そして、シヴァのウマーに対する恋情をかきたてる為に、インドラ神が愛神カーマを派遣します。
しかし、愛神カーマの恋の矢も失敗し、ウマーはシヴァの愛情を得る為に、苦行に身をゆだねます。
そこへ苦行者がやって来て、シヴァの悪口を並べたてますが、ウマーはそれに反論し、
ウマーの心は、シヴァに対する愛情で占められていると言います。
本当は、その苦行者はシヴァで、シヴァの姿に戻り、シヴァはウマーと結婚しました。
このまぐさ石は、
説教をしている仏陀の立像です。
Phimai遺跡から出土した物です。
Surin県の21 Border Policeで
見つかったとあるので、
ガンボジアとの国境で見つかった
物だと思います。
ガルーダに乗るヴィシュヌ神です。
上の写真の「ガルーダに乗るヴィシュヌ神」の
部分の拡大写真です。
これも上部写真のナーガの部分の拡大写真です。
これも
「ガルーダに乗るヴィシュヌ神」の
まぐさ石です。
これは、Buriram県の
Bai Baek遺跡に
あった物です。
右のまぐさ石は、
「アイラーヴァタに乗るインドラ神」
です。
説明文には、Buriram県のBan Kruatの
Prasat Ban Prasatにあったと有ります。
Prasat Ban Prasatとは
Ban Prasatの遺跡と言う意味です。
Ampoe Ban KruatのBan Prasatに
ある遺跡は、Prasat Thong
の事だと
思います。
このまぐさ石は、
インドラ神の右手下、右足の膝の部分に
丸い穴が抉られていたように見えます。
この丸穴は、まぐさ石を運ぶ為に使用された穴だと思います。
そしてまぐさ石が設置された後、この丸穴部へ別の石を埋め、
丸穴をわからなくする工夫がされていたのではないかと想像しています。
今となっては、手遅れですが、実物を見た時、良く見て確認をしておけば良かっと思ってます。
右のまぐさ石は、
Phimai遺跡にあった物で、
説明文には、ラーマヤナ物語の一場面と
あります。
ラーマ王子の軍勢の猿軍(右側)と、
悪魔ラーバナの軍勢のアシュラ軍(左側)
の戦いの場面と思います。
このまぐさ石は、一見、
食いしん坊で自分の身体を食べた
カーラなのに、なぜ身体がついている??
と不思議に思いました。
しかし、説明文をよく見ると、
カーラではなく、シンハ(獅子)との事。
確かに、
カーラは、通常胴体は無いので
これはシンハで納得です。
顔にはタテガミの模様もあります。
しかし、
カーラの顔と、シンハの顔は良く
似ています。
顔だけ見ると判断がつきません。
絵の構図を含め、全体で見る必要があると
実感しました。
このまぐさ石は、Maha Sarakham県の
Ku Ban Daeng にあった物のようです。
Ban Daengは、赤い町と言う意味で、
このまぐさ石は、赤砂岩でできている
ように見えます。
(アンコールワットは、
赤く塗られていたと聞きますが、
このまぐさ石は、側面も赤色で
砂岩そのものが赤いように見えます。)
Ku Ban Daengに行った事がありますが、その遺跡に、同じまぐさ石がありました。
と言う事は、遺跡にあったのは偽物で、ここにあるのが本物のようです。
このまぐさの絵は、「The Mahayana Trinity」と説明が有ります。
Mahayanaは大乗仏教、Trinityは、三位一体とかの意味があるようです。
(参考までに、マハーヤーナは、問題のオーム真理教の月刊誌の名前になっていたようです。)
また、Ku Ban Daengにあった遺跡の説明板には、
まぐさ石の中央は、ナーガに守られたBuddha(仏陀)、右側はBodhisatva Avalokitesvara、
左側はPrajaparmitaと説明がありました。
これ以上の事は、私にはわかりません。
誰か御存知の方おられましたら、教えてください。
と書いてましたが、自分でネットで調べて見ると、以下の意味のようです。
・Buddha(仏陀):仏ともいい、悟りの最高の位「仏の悟り」を開いた人を指します
。
buddhaはサンスクリットで「目覚めた人」「体解した人」「悟った者」などの意味です。
・Bodhisatva Avalokitesvara(菩薩):
仏教において、成仏を求める(如来に成ろうとする)修行者。
後に菩薩は、修行中ではあるが、人々と共に歩み、教えに導くということで、
庶民の信仰の対象となっていきました。
・Prajaparmita(般若波羅蜜多菩薩):
「般若」は叡智で、「波羅蜜多」は悟った状態。
つまり、「般若波羅蜜多」は悟りの世界の知恵を身につけることです。
右のまぐさ石は、Surin県の
Police StationのHeadによって
寄贈されたらしい。
どこにあったのか不明です。
まぐさの絵は、
KIRTMUKHAの上に坐する女神です。
このまぐさには、説明文がありません。
(あったかもしれないですが、
写真を撮り損ねたかもしれません。)
人と象が彫られています。
これは、Phimai遺跡にあった物です。
「Yama on a buffalow」と説明が有ります。
Yamaは閻魔大王、または、夜魔天です。
牡牛とくれば、
牡牛ナンディンに乗ったシヴァ神ですが、
これは、牡牛に乗ったYamaと言う事です。
そして、Yamaと言えば、
アンコールワットの第一回廊の天国と地獄が、
思い浮かびます。
アンコールワットの天国と地獄でも、
牡牛に乗ったYamaが出てきます。
(石澤良昭氏著の「アンコールワットへの道」の中で、
牡牛ナンディンに乗った夜魔天と説明があります。
ナンディンにはYamaも乗っているのかと、
少し驚きました。)
右のまぐさ石は、Phimai遺跡にあった
シンハを殺しているクリシュナの
図です。
クリシュナは、ヴィシュヌ神の化身です。
一見、カーラに見えるのがシンハで、
クリシュナのお腹の前にある
2つの丸いのは、シンハのお尻で、
お尻の間から尻尾が前に垂れ下がって
います。
そして、クリシュナはシンハの後ろ足を
つかんでいます。
右のまぐさ石も、
Phimai遺跡にあった物で、
象を殺しているクリシュナの図です。
象の後ろ足をつかんで切り裂く
ポーズです。
Phimai遺跡にあった物で、
カーリア竜を退治するクリシュナです。
その話は以下です。
ヤムナー川に住んでいた
カーリア(毒蛇)により、川が毒水になり、
多くの生き物が死にました。
それを知ったクリシュナは、
川に飛び込みカーリアと戦い、
鎌首を上げたカーリアの頭の上で
踊りました。
宇宙を蔵するクリシュナの重さに
耐えかねたカーリアは気絶します。
しかし、カーリアの妻が
クリシュナを讃え命乞いをし、
カーリア達は、海へ去って行きます。
ヤムナー川は無毒となり、甘露のように
なりました。
アイラーバァタにのるインドラ神です。
女性器を模したヨニです。
このシンハーは、
元は足が長かったのかもしれません?
でも、今は、大きな目、丸い顔、
大きな口、丸々太った体、短い脚と、
愛嬌があります。
このシンハは、
何かのキャラクターになっても
おかしくないですね。
そのシンハを正面から見たところ。
牡牛ナンディンです。
これは遺跡の屋蓋の先にある
尖塔部と思います。
ここで紹介した写真は、
写真撮影可エリアにあったお宝です。
しかし、
実際には、クメール遺跡の逸品は、
Phimai National Museumの中は、
更に数多くあり、一見の価値有りです。