天空に聳え立つ遺跡 / Prasat Khao Phra Viharn (ガンボジア名:Preah Vihear) 
: 訪問日 α?、23Jul2005、10Jul2006


この遺跡は、Sri Saket県
221号線を南下し、
Khao Phra Viharnの
駐車場へ車を止め、
西方面へ道なりに進みます。
タイのImmigrationを抜け、
更に西方面へ進みます。



右の写真は、
駐車場を南西に登った
ところにある展望台から、
Prasat Khao Phra Viharnを
眺めたところ。





西に山を下って行くと、
溶岩でできたのではないかと想像する
木が生えてないエリアがあります。

このエリアには、大きな穴が所々にあります。
穴の大きさから人工的に開けた穴では無く、
溶岩からガスが抜けた穴と思います?








溶岩の塊の先には、
ガンボジア側に渡る橋があります。













橋を渡ると、
ガンボジア側のImmigrationがあります。

遺跡へのチケットを購入して、
遺跡へ向かいます。

入口には、PREAH VIHEAR TEMPLEとあります。
この遺跡は、ガンボジア名で、Preah Vihearと
呼ばれています。

遺跡は、南北の軸上にあり、北を向いています。




遺跡へのゲートを抜けると、
急な階段が待ち受けています。
72m、162段の階段です。

登り口にシンハがいます。

北から南に向かって階段を上って行きます。











右側のシンハです。
足首から切り取られています。
















このシンハも、
足首から切り取られています。













階段の横には、
シンハが置かれていたような段が並んでいます。
もしも、この段の全てにシンハいたとすると、
壮観であったと思います。















階段を登って行くと、またシンハがいます。
(10Jul'06撮影)

















そのシンハの拡大写真。(23Jul'05撮影)


















シンハの上には、ナーガが待ち受けています。

Prasat Phnom Rung のナーガに比べると、シンプルです。
これは、初期のナーガの形です。















ナーガのブリッジです。
ナーガの胴体は、欄干になっています。
Prasat Phnom Rungのナーガの胴体は
宙に浮いていますが、
ここのナーガの胴体は、地に付いています。










ナーガのブリッジの先には、
最初の塔門(第一塔門)があります。

北側から第一塔門を見たところ。











第一塔門から振り返った景色です。














第一塔門は、平面図で十字型をしています。

今は、骨組だけが残っています。
ガンボジアの国旗がはためいています。

ここは、ガンボジア領です。









第一塔門の東側入口の破風と、まぐさ石です。














第一塔門を南側から見たところ。

















南入口上部のまぐさ石です。

カーラの上に坐する神がモチーフです。












第一塔門を抜けると、
その先に長い参道があります。
参道は、270mあります。












参道の脇の沐浴用の池です。














参道には、このような境界石がありました。
参道の縁石に穴をあけ、
その穴に差し込まれ、立っていました。












長い参道の先には、
2番目の塔門(第2塔門)があります。













第2塔門への階段を登り振り返ったところ。
柱の穴と思われる穴がいたる所に開いています。













第2塔門を北側から見たところ。

















その破風とまぐさ石を見上げたところ。














その破風とまぐさ石の部分拡大写真です。

















この破風とまぐさ石は、
カーラの上に坐する神が、
モチーフです。












そのカーラの上に坐する神の拡大写真です。





















破風の裏には、木の梁を差し込み支える為の穴が
開いています。
また、屋根があった形に沿って、
斜めの線が残っています。

破風には、カーラの顔が、
まぐさ石には、カーラに坐する神が、
彫られています。










この破風とまぐさ石も、
カーラの上に坐する神が、
モチーフです。











第2塔門を南に抜け振り返ったところ。

ここには、乳海攪拌の破風と、
大蛇アナンタに横たわるヴィシュヌ神の
まぐさ石があります。

破風とまぐさ石が赤っぽいのは、
オリジナルの遺跡に塗られた色でしょうか?






















上部写真は、乳海攪拌の破風です。
大亀クールマの上で、マンダラ山を軸にして、
マンダラ山に巻き付いた大蛇ヴァースキを綱にして、
神々と阿修羅で綱引きをし、大海を攪拌している図です。

マンダラ山を、細い棒として表わしており、
ヴィシュヌ神が、その棒にとり付き、指揮をしています。
棒の先には、ブラフマー神が坐しています。
棒の下、亀の甲羅の上には、壺があり、
この壺が大海としての宇宙を表しているのかもしれません。
大海を攪拌する事により、不老不死の霊薬アムリタだけでなく、
神妃ラクシュミーや、聖象アイラーヴァタ、等が出現します。
壺の横、大亀クールマの右上には、
ヴィシュヌ神の妻となる神妃ラクシュミーが出現しています。
右端には、出現したアイラーヴァタを乗り物にしているインドラ神がいます。
左側には、ガルーダがいます。
ガルーダは、賭けに負け蛇族の奴隷になっている母を助ける為、
アムリタを狙っています。
更に、ブラフマー神の両側には、太陽と月がいます。
ラーフと言う阿修羅が、アムリタを飲もうとしている事に気が付いた太陽と月が、
ヴィシュヌ神に言い付け、
ラーフがアムリタを一口飲んだ時、ヴィシュヌ神がチャクラでラーフの首を飛ばしました。
アムリタを飲んだラーフは、首だけで生き残る事になり、
太陽と月を恨んで、太陽と月を食べてしまいます。
しかし、首しか無いので、すぐに出てしまいます。
これが日蝕と月蝕の由来です。











こちらは、大蛇アナンタの上に横たわるヴィシュヌ神のまぐさ石です。
足元では、その妻のラクシュミーが足をさすっています。



この破風にも、梁を差し込み支える穴が残っています。

















上部写真の破風とまぐさ石です。

この破風とまぐさ石も、
カーラの上に坐する神がモチーフです。










このまぐさ石の下端は、
黒っぽく変色しています。












上部写真の破風と、まぐさ石にも、
カーラの上に坐する神が、
彫られています。


















まぐさ石は、
大蛇カーリアと闘うクリシュナです。











下は、その拡大写真です。











第2塔門の破風とまぐさ石は、
カーラの上に坐する神のレリーフだらけです。












ここにも、カーラの上に坐する神がいます。













第2塔門を抜けて、更に先(南)を見ると、
参道が続いています。
この参道は、152mの長さがあります。

参道の周りには、
観光客相手の店が並んでいます。
2000年当時に比べ店が増えています。







その参道の先には、
3番目の塔門(第3塔門)があります。

この第3塔門が、
この遺跡で、一番大きな塔門です。









第3塔門から、参道を振り返ったところ。













第3塔門の北正面入口を見たところ。
















下は、その入口上部の破風と、まぐさ石です。
破風は、クリシュナが、象か、シンハと闘っている図に見えます。

まぐさ石は、カーラの上に坐する神に見えますが、カーラを良く見ると、
胴体がついているようにも見えます。
胴があるならシンハ?判然としません。
























第3塔門の北正面入口を入ってすぐの
破風とまぐさ石です。

この破風には、
ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナが、
まぐさ石には、カーラの顔の上に、
ガルーダに乗ったヴィシュヌ神のレリーフが、
描かれています。






以下の写真は、その拡大写真です。

「ゴーヴァルダナ山を持ち上げる
クリシュナ」の伝説は以下です。

クリシュナは、
インドラ神の高慢をくじく為に、
森と山のおかげで生活している
牛飼村の人々に、
牡牛とバラモンとゴーヴァルダナ山を
敬い犠牲祭をする事を提案し、
インドラ神の崇拝を中止しました。
インドラ神は、クリシュナの提案で、
自分に対する崇拝が中止された事を怒り、
牛飼村に大雨を降らします。
クリシュナは、ゴーヴァルダナ山を引き抜き、
片手で傘のように頭上にさしかけ、
人々、家畜を、その下に避難させました。
(右のまぐさにも、避難している人、
動物の描写があります。)
これを見たインドラ神は、驚嘆し、
雨を降らせる事をやめたとの事。


第3塔門の連子状窓です。














この破風は、馬と闘うクリシュナです。














その拡大写真です。
カンサ王が呼び寄せた悪魔ケーシンが化けた馬と
闘っています。












この破風とまぐさ石には、
カーラの上に坐する神のレリーフがあります。













第3塔門を南から北に抜ける
ひとつ手前の破風です。
シヴァ神と、その妻ウマーが、
聖牛ナンディンに乗っている図です。
森を象徴していると思われる
大きな木が印象的です。









その下の
まぐさ石です。
中央は、
シンハに乗る神です。
左右のシンハも含め、
シンハのポーズが
面白い。






第3塔門を北から南に抜け振り返ったところ。














南側入口上部の破風とまぐさ石です。














その破風は、水牛に乗るヤマです。

ヤマは、この世に生まれた最初の人間なので、
最初に死んだ人間となりました。
よって、死の道の案内人となりました。
そして、仏教にとり入れられ、
閻魔大王となりました。
南の方位神でもあります。







また、まぐさ石は、カーラの上に、
ハンサの上に坐する神が描かれています。













この破風と、まぐさ石は、
カーラの上に坐する神のレリーフです。













この破風も、馬と闘うクリシュナです。

まぐさ石は、マハーバーラタの一場面で、
シヴァ神が化身したキラタと、アルジュナの闘いの
レリーフです。










その破風とまぐさ石の部分拡大写真です。

まぐさ石のレリーフは、
シヴァ神とウマーの仲睦まじい姿と
解説されている本もありますが、
Vittorio Roveda著「Images of the Gods」に
よると、シヴァ神が化身したキラタと、
アルジュナの闘いの場面との事。

レスリングしているようにしか見えなかったので、
この解釈に納得です。

アルジュナが森の中で生活している時、
猪がアルジュナに襲いかかります。
その時、シヴァ神が化身した猟師キラタと
アルジュナが同時に矢を放ちます。
そして、どちらの矢で射止めたのか、
取っ組み合いの闘いをする場面です。
この闘いの結果で、シヴァ神を讃え、
献身の気持ちを新たにしたアルジュナは、
最終兵器ブラフマシラスを得ます。

これと同じモチーフのレリーフは、
Banteay Srei にも有ります。
また、Baphuonには、
この話のレリーフのパネルがあります。

この破風とまぐさ石は、
カーラに坐する神のレリーフです。
































































第3塔門の東西には、ホールがあります。
東のホールのすぐ北の建物です。

木に絡まれています。











東のホールの更に東側には、
内戦の遺物、大砲がありました。

















4番目の塔門(第4塔門)へ向け進む途中で、
振り返って見た第3塔門です。













途中で見た東方面の景色です。

ダンレック山脈の麓の平野は、ガンボジアです。












4番目の塔門(第4塔門)です。














第4塔門の下のシンハです。
足首で切断されています。

















この破風とまぐさ石も
カーラに坐する神のレリーフがあります。













地面に、こんなレリーフが転がっています。














ナーガのレリーフです。






























































拝殿(Mandapa)の北正面の
破風とまぐさ石です。













その破風の部分拡大写真です。

踊るシヴァ神のレリーフがあります。
















下の写真は、踊るシヴァ神の破風の下のまぐさ石です。
カーラの上に坐する神のレリーフがあります。










拝殿(Mandapa)西側の破風とまぐさ石です。

















拝殿(Mandapa)を北東側から見たところ。

拝殿の南には主祠堂がありましたが、
今はぐずれています。











拝殿の西側入口上部の破風です。
カーラの上に坐する神のレリーフです。













拝殿の西側入口上部のまぐさ石です。

まぐさ石も、
カーラの上に坐する神のレリーフです。











地面に転がっているまぐさ石です。














主祠堂の周りは回廊で囲われています。
右端の瓦礫の山は、主祠堂が崩れた跡です。













回廊の内部です。
回廊の内側に向いて窓が開いています。

















回廊の西側入口上の破風と、まぐさ石です。














回廊南西角の偽扉です。

















回廊の東南サイドは、
崖にギリギリで建っています。












回廊の東側入口の上部のまぐさ石です。
聖象アイラーヴァタに乗るインドラ神の
レリーフがあります。

回廊の東側のすぐ外は断崖だ。









遺跡の最南端の崖っぷちから、
ガンボジア方面(南側)を眺めたところ。












































東を見たところ。













西を見たところ。













西側の崖下を見ると、
ガンボジアの小さな村が見えます。
















回廊の西側にも、店が並んでいました。














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