南京市の朝天宮へ行ってきました。
王府大街と言う通りを北から南へ
歩いて行くと、右手(西側)に、
「南京新金陵四十八景 朝天宮閣」、
「全国重点文物保护単位朝天宮」と
書かれた石碑が見えて来ます。
全国重点文物保护(護)単位とは、
中国の文化遺産保護制度で、
国家級の保護遺産に対して
制定されています。
ここ朝天宮は、江南地方に現存する明清代の古建築では最大規模です。
明代に文武百官が、ここで朝廷での礼儀を学んだので「朝天宮」と呼ばれています。
朝天宮の南側を秦淮河(青溪水道)が
流れています。
朝天宮の南側に公園があり、
市民が鳥カゴを持って集まり、
鳥のさえずりを楽しんでいます。
鳥籠の鳥です。
朝天宮の南側の公園から秦淮河を隔てた
北側にある万仞宮墻です。
万仞は高い事を意味し、墻は垣、塀、壁を
意味します。
公園の植木の上にも鳥カゴがあります。
秦淮河(青溪水道)です。
左に見える壁は、万仞宮墻です。
朝天宮の西側に回ってみたところ。
この門は、道贯古今牌坊です。
牌坊は、中国の伝統的建築様式の門を
意味します。
門には、道貫古今の文字が
掲げられています。
道貫古今は、
孔子の道は、古今を貫き、永遠である
と言う意味です。
西側の門は入り口が閉まっていました。
西側の塀沿いには、
鳥カゴを木の枝に掛けて、
ゲームか、博打だろうか、
大人達が集まって、
遊びに興じています。
東側の門へ回ってみたところ。
この門は、徳配天地牌坊と言います。
徳配天地は、孔子の言葉で、
天地に良徳が行き渡る事を指す
ようです。
この門の前には、
観光客を乗せたマイクロバスが
次から次へと到着し、
たくさんの人がいます。
東側の門、徳配天地牌坊の前にあった朝天宮の案内図です。
中国人は、身分証を見せるだけで
中に入れるようですが、
外国人はパスポートを見せても
入れてくれません。
どうもチケットを買えと言っている
ようです。
チケットを買って、やっと中に入る事が
出来ました。
正面(写真の左側)には、西側の門の
道贯古今牌坊が見えます。
そして門を入った広場の南側には
半円形の池がありました。
水草で、水が緑色です。
ちょっと気持ちが悪い。
池の南側から、
これから向かう朝天宮を
見たところ。
池は、相当深そうです。
その泮池(Pan Chi)の説明です。
万仞宮墻のすぐ北側に位置し、大理石の欄干を持った半円形の池である。
これは、孔子を祀った孔廟の特徴の一つです。
西側の門、道贯古今牌坊を
東側から見たところ。
朝天宮の南を向いた門です。
櫺星門です。
櫺星門の文字が掲げられています。
東側の門、徳配天地牌坊を
西側から見たところ。
櫺(棂)星門の
説明板です。
棂星門は、
孔廟への最初の門で、
その幅は15.5m
あります。
棂星門を入った中庭の
両側に建物があり、
古くから孔子への
崇拝や供え物をする
のに使用されました。
櫺星門を抜けて、正面を見たところ。
正面に孔子像が立っています。
孔子像です。
その孔子像の向こうに、
更に門があります。
大成門とあります。
その大成門の説明です。
大成門は、幅が29mあり、
3つの入り口を持ちます。
中央の入り口は、
孔子を崇拝し、
記念式典等で、
皇帝が使用します。
その両脇の入り口は、
皇太子の為にあります。
更に、
その両脇の小さな入り口は、
役人の為にあります。
大成門から、
孔子像、そして、櫺星門を
ふり返ったところ。
大成門を抜け、正面を見たところ。
正面に見えるのは大成殿です。
大成殿。
大成殿の説明です。
大成殿は、堂々とした建築様式を
持つ孔廟の主建築物です。
幅は46.3m、奥行きは18.76mの
大きさです。
また、大成殿の前には、
彫刻を施された欄干を持つ
テラスがあります。
大成殿の横には、明代奉敕重建朝天宮碑があります。
その
明代奉敕重建
朝天宮碑の
説明です。
明の
最盛期に入り、
1465-1487年の
間で
朝天宮の再建が
行われ、本石碑が
建てられました。
この石碑には、
一千語以上の
文字で、
明代初期の
朝天宮の
役割りや、
大きさが
記載されており、
重要な歴史的な史料です。
大成殿の前の中庭をふり返ったところ。
中央の建物は大成門です。
大成殿の鬼瓦です。
鬼瓦は竜のようです。
その他、屋根の上には、獅子や魚がいます。
獅子の鬼瓦です。
大成殿に向け階段を登ります。
階段の中央には竜の彫刻があります。
大成殿の前から、主展庁を見たところ。
主展庁には、南京市博物館として、
歴史、文化財の展示がされています。
大成殿の横から、主展庁を見たところ。
大成殿の奥には、崇圣殿があります。
崇圣殿です。
崇圣殿の説明板です。
横は、36.53mで、奥行きは16.5mあり、
建築様式は、大成殿とよく似ています。
崇圣殿の中も展示場になっています。
「龙凰紋金簪」
宋時代の物です。
龙は、竜で、
凰は、立派な天子が世に出た時に現れる
と言うめでたい鳥です。
よって、
竜と凰の模様の入った金の簪(かんざし)
です。
左側:「十三股金花头釵」
头は頭、釵は簪を意味します。
十三に分かれた花の頭を持つ金の簪の事です。
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右側:「鎏金七股銀花头釵」
鎏は、金メッキを指します。
七つに分かれた花の頭を持つ金メッキが施された銀の簪です。
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以上、いずれも宋代の物です。
古銭です。
衣服の展示もあります。
上:「嵌紅蓝宝石蜘蛛形金簪」
嵌は、穴にぴったりとはまると言う意味です。
写真ではわかりにくいですが
ルビーとサファイヤでしょうか?
赤と青の宝石を埋め込んだ
蜘蛛の形をした金の簪です。
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左下:「嵌緑松石金簪」
緑松石は、中国で採掘されたトルコ石です。
トルコ石を埋め込んだ金の簪です。
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右下も、金の簪で、いずれも明代の物です。
「嵌宝石花形饰件」
赤や青、色とりどりの宝石が埋め込まれた
金の装飾品です。
明代の物です。
「云紋金束发冠」
明
云は、雲。
发は、髪の毛です。
すなわち、雲の模様が入った
金の髪の毛を束ねる冠です。
崇圣殿を出て、先ほど通り過ぎた主展庁へ入って見ます。
南京の
古代からの
変遷を再現した
空撮風景が
ビデオで流れて
います。
壁に掛かっているのは、
銅鏡です。
帝陵、王公墓の
展示です。
丸い皿のような土器です。
顔の模様が入っています。
埋葬された貴人を守る為でしょうか?
陶牛车(車)。
主展庁内の展示です。
主展庁内の展示です。
主展庁内の展示です。
报恩寺文物。
「报恩寺琉璃拱门」
拱门とは、アーチ型の門の事です。
琉璃とは、工芸技法の七宝のひとつ。
陶器の上薬の名称でもあります。
中央最上部には、
インド神話に登場する聖鳥ガルーダが、
蛇神ナーガを鷲掴みしているように見えます。
そして、ナーガの顔は、人の顔になっています。
主展庁を出て、
崇圣殿の前を東へ抜けます。
そして、崇圣殿の裏の階段を登ると、敬一亭があります。
1526年に明の嘉靖帝は、
儒教を敬い実行するよう
法を定めました。
その条項は、
ほとんどの孔子廟で
石碑に彫って建てられました。
その石碑が建てられた建物は、
敬一亭と呼ばれ
八角形の形をしており、
一番高いところへ
配置されています。
崇圣殿の東に位置する飛雲閣(飞云阁)です。
飞云阁の説明です。
飞云阁は、二階建ての建物で、
儒学者の莫友芝の書が
刻まれた板が
掛かっています。
飞霞阁は、飞云阁の
そばにあります。
御碑亭です。
治心亭です。
治心亭から、朝天宮の東側の塀の横を
南へ下って行きます。
途中、朝天宮の東側の塀にあった門から、
朝天宮の中庭へ再度入ります。
孔子像がある中庭です。
左端に、棂星門が見えます。
棂星門を出て、帰途につきました。