温井ダム 放流: 04May2017


2017年の5月連休に安芸太田町加計にある温井ダムの放流を見に出かけて来ました。

滝山川が太田川と合流する加計の町から、滝山川に沿った国道186号を北上して行くと
温井ダムがあります。
国加計の町から、道186号のなだらかな坂を登って行き温井トンネルを抜けると、
右手に龍姫湖のさと温井があり、駐車場へ入ります。
(ちなみに、龍姫湖のさと温井は、現在は温井ダムリゾートに変わっています。)

その龍姫湖のさと温井の駐車場にあった温井ダム周辺案内図です。





























こちらは温井ダムサイト周辺案内図です。

























龍姫湖のさと温井から、ダム湖を見たところ。

このダム湖は、龍姫(りゅうき)湖と呼ばれています。












龍姫湖のさと温井の敷地内には、龍姫神社があります。

この龍姫神社には、
最後の発破で温井ダムの放流トンネルを貫通させた時の石、
貫通石が祀られています。

貫通石は、最後に突破した石と言う事で、
難関突破、初志貫徹の御利益があると言われています。







その龍姫神社の背後の龍姫湖を見たところ。














温井ダム完成前は、山合の谷を滝山川が流れており、
深く水を湛える江の渕と呼ばれる渕がありました。
この江の渕にまつわる伝説が残っています。

温井のある家に
美しく働き者の娘が女中として働いていました。
この娘は、毎夜、夜更けに出かけ、朝方に草履を濡らして
帰って来ます。
ある夜、不思議に思った主人が娘の後を追います。
娘は江の渕で足を止め、服を脱ぎ、水を浴び始めた時、
主人は足を滑らせ気づかれてしまいます。
主人が娘の名を呼ぶと、
娘は悲しそうに微笑み水に飛び込むと、
そこには娘の姿は無く、一匹の大蛇が月の光に銀色のうろこを輝かせ
渕の底へ消えていきました。



龍姫湖のさと温井から、ダムのすぐ近く、ダムサイト駐車場へ下りて行き、
温井ダムを見たところ。

すぐ下はダム湖の龍姫湖です。
















ダムの上は道路が通ってます。














ダムの上の道路を渡り、ダム湖と反対側を見たところ。

温井ダムは、アーチ式ダムで、
アーチ状に湾曲しているのがわかります。































そして、
温井ダムの高さは、
日本で6番目の高さ、156mを誇ります。












ちなみに、
日本で一番高いダムは、
温井ダムと同じアーチ式ダムの黒部ダムで、186mあります。

















ダムの手摺り越しに下をのぞくと、
目がくらむ高さです。













ダム湖側を見たところ。

左端は、温井ダム駐車場です。

中央辺りの山肌には、龍姫湖のさと温井が、
更にその向こうには
和らぎの杜宿「温井スプリングス」が見えます。

ちなみに温井スプリングスは、2021年9月から休館中です。






時折、ダムの下をのぞき込みながら、
ダムに沿って西から東へ向け進んで行きます。













ダム湖側をのぞき込んで見たところ。



















ダムの上の道路です。














ダム湖と反対側をのぞき込んだところ。

ダムの下には、
放流により落下した水の勢いを弱める為の
減勢池があります。

減勢池は、ダムの反対側、下流側に、
落下した水の勢いを弱める為の副ダムがあります。







ダムの真下に、減勢池を見たところ。














ダムの堤頂部中央には、
非常用洪水吐(ひじょうようこうずいばき)が見えます。

非常用洪水吐は、
洪水時最高水位を超える恐れがある大洪水が発生した時に使用される
非常時放流設備です。

この非常用洪水吐は、扉体の左右にローラーが取り付けられ、
扉体を上下にスライドさせ開閉するローラーゲートになってます。











ダムの堤頂部にある半円筒形のカバーの下には、
ローラーゲートの扉体を上下にスライドさせる
ワイヤーを巻き上げるウィンチ等の設備が設置されている
のではと想像します。

ローラーゲートは、5門設置されています。









ダム湖の反対側、ダムの中央辺りから、真下を見たところ。

ダムの真下には、大きな減勢池があり、
その減勢池の副ダムを乗り越えた更に向こうに
小さな減勢池があります。















そして、その先には滝山川が下流に向け流れています。















ダムの上を東へ向かいながら、
ダム湖側、西岸方向を見たところ。













ダムの上を東へ向かいながら、ダム湖と反対側の面を見たところ。



















ダムの上を東へ渡ったところにある東岸の展望所から、
ダム湖と反対側の面を見たところ。

温井ダムの役割は、
洪水調節、河川環境の保全、
水道用水の供給、発電です。

その役割の一つ、洪水調節を目的とした放流設備が
3種類あります。

一番上から順に、非常用放流設備、中位標高放流設備、
常用洪水吐き放流設備です。



東岸の展望所から滝山川の下流方向を見たところ。



















山あいの谷がうねりながら、続いています。














前方に山腹を走る国道186号線の
赤いアーチ橋が見えます。













ダム直下の広場から、温井ダムの放流を見上げる為、
管理所1Fの見学者用エレベータで120m下の見学トンネルまで下りて、
見学トンネルをダム直下の広場へ向かいます。

















その見学トンネルです。


















見学者用エレベータや、見学トンネル含めた温井ダムの案内図です。


























丸い窓から見える岩は、温井ダムを支える岩山の一部です。
この岩山は、中世白亜紀(約1億年前)につくられた花崗岩と言う事です。



























見学トンネルに展示されていた写真です。

下流側の減勢池の副ダムの上に虹が架かってます。












見学トンネルを出て、温井ダムをふり返り、
見上げたところ。













ダムに近づきながら、正面に温井ダムの放流設備を見たところ。



















ダムの堤頂部部に見えるのが、
非常用洪水吐(ひじょうようこうずいばき)です。

洪水時最高水位を超える恐れがある時に使用される
非常用放水設備です。

ゲートは5門あり、
毎秒2,000立方メートルの放流が可能です。








その非常用洪水吐の下には、中位標高放流設備があります。

比較的小規模な洪水に対する洪水調整用です。

ゲートは2門あり、毎秒60立方メートルの放流能力を持ってます。
















そして、その中位標高放流設備の下には、
常用洪水吐き放流設備があります。

中位標高放流設備の能力を超える大規模な洪水の場合、
使用します。

ゲートは4門あり、
毎秒1,100立方メートルの放流能力を持っています。

この放流能力は、
一秒で25mプールをいっぱいにする事が可能です。





上から順に、
非常用放流設備、中位標高放流設備、常用洪水吐き放流設備です。


















減勢池の横から、下流方向を見たところ。

副ダムによって、水が蓄えられています。












ダムの両側、山への付け根部には、
しわい階段があります。

しわい階段とは、ダムの下から堤頂へ続く管理用の階段で、
普段は立ち入り禁止ですが、水位低下放流日は解放されます。

しわいは、この辺りの方言で、しんどい、苦しい、
つらいと言った意味があります。
そして、この階段は481(しわい)段あると言う事です。






もうすぐ、この日最初の放流の時間の
11時が近づいてきました。

近くで見ると、水しぶきで濡れる為、
カッパや傘の使用がお勧めのようです。

私は持って無かった為、仕方なくダムから離れます。








放流が行われるのは、
2門ある中位標高放流設備と言う事で、
その中位標高放流設備をズームして見たところ。

奥に見える円形の物が、ホロージェットバルブで、
円筒形の本体に対して円錐形のニードルを前後に移動し
開閉します。

そのバルブの横に人が立っているように見えますが、
ダムの大きさを実感できるように人形が設置されています。





時間になり、2門のゲートから放流が始まりました。














この放流は、水位低下放流と呼ばれ、
梅雨や台風、局地的大雨による洪水の恐れが多い時期に備え、
あらかじめダムの水位を下げて洪水を貯める容量を
確保するのが目的です。











その放流を多くの人が見守っています。














前で見ている人たちは、カッパを着たり、傘を持って、
濡れないよう準備をしている人がほとんどです。













大迫力の放流です。














離れていても、水しぶきが飛んできます。





























意を決して、近づいて見ます。














長くいると、びしょ濡れになります。














減勢池の副ダムの先まで移動し、副ダム越しに放流を見たところ。


































見学トンネルの出口の先まで非難し、一息入れます。














そして、再びダムへ近づきます。

放流を横から見れる位置へ近づきます。












放流を横から見たところ。














しわい階段を上りながら、放流を見たところ。



















中位標高放流設備からの放流だけでなく、
その下にある常用洪水吐放流設備も真横に見えます。













放流を真横から見るのも、迫力があります。



















常用洪水吐放流設備の上、ダムの表面に設置された
点検、補修に使用されるキャットウォークも見えます。

しわい階段からキャットウォークへ入るドアも見えます。































放流を横に見ながら、しわい階段を上って行きます。






















































中位標高放流設備の上を通るキャットウォークです。










































































15分の放流時間が過ぎ、放流が止まりました。







































上って来たしわい階段を見下ろしたところ。



















しわい階段を上り終え、
温井ダム管理所3Fのダム資料室へ行ってみます。

ダム周辺の模型や、ダムに関する様々なデータ、資料が
展示されています。










温井ダムの東、ダム湖側に階段広場があり、
その階段広場からダム湖を見たところ。

このダム湖は、龍姫湖と呼ばれています。











その階段広場から、ダム湖を見たところ。














階段広場の階段を下りながら、
西側、ダム及びダム湖を見たところ。













北を見たところ。

左半分には、
西岸からダム湖へ向け伸びた半島があり、
自然生態公園になってます。










ダムの上を西岸に向け帰りながら、
東をふり返ったところ。

正面に温井ダム管理所が見えます。











温井ダム管理署と道を隔てて反対側、北側を見たところ。

右端の建物の屋上は展望デッキになってます。

その建物の下、山肌には、ジグザグの階段がある
階段広場が見えます。









ダムの上を、西岸へ向け歩いて帰ります。














ダム湖側の放流設備を見たところ。



















ダムの上を西へ進んで行くと、
非常用洪水吐の上部を覆う半円筒形のカバーが見えます。













ダムの上を西岸へ向かいながら、西を見たところ。

正面に車を停めたダムサイト駐車場が見えます。












北を見たところ。

西岸からダム湖へ向け伸びた半島が、
自然生態公園となっており、
その自然生態公園の中にある展望台が見えます。











ダムの上を西岸へ向かいながら、東をふり返ったところ。

右側の建物が、温井ダム管理所です。












ダムの上を西岸へ渡り、
下流側にあるダム記念公園から温井ダムを見たところ。













ダム記念公園内にあった巨石のモニュメントです。













その巨石のモニュメントの説明です。
ダム建設で水没した滝山狭の須井ヶ淵上流の岩石段丘にあった夫婦石と呼ばれていた巨石と言う事です。
























大きい方の巨石には、甌穴(ポットホール)が見られます。

岩の表面に弱いところがあると、川の水が弱いところを削り
窪みができます。
その窪みに入った硬い石が水の渦と一緒に回転し岩を削り、
大きな穴になります。
そして、穴の中には、外へ出られなくなり、丸くなった石が
入ってました。

その甌穴です。










ダム記念公園から温井ダムを見たところ。















右手にダム湖を見ながら、自然生態公園へ向かいます。






























自然生態公園へ向かう途中に見たウワミズザクラです。














自然生態公園へ向かいながら、ダム湖を見たところ。














ダム湖へ向け西から東へ突き出た半島の
自然生態公園の中にある展望台です。













その展望台から南側、
温井ダム、及び、ダム湖を見たところ。













展望台から見た温井ダムです。





























展望台から北を見たところ。














北を見るとダム湖を渡る国道186号線の
赤いアーチの瀧山峡大橋が見えます。













その赤いアーチの瀧山峡大橋です。



自然生態公園のある半島を一回りした後、
龍姫湖のさと温井で昼食をとりました。









この日、2回目の放流がある2時まで、時間があるので、
温井ダムの西側の山肌にある多目的広場へ行ってみます。

その多目的広場へ向かいながら、温井ダムを見たところ。











多目的広場の上部にある展望台から、
眼下に多目的広場、その向こうにダム湖を見たところ。













多目的広場の南側、奥にある
ぬくい夢の杜の展望台へ向け坂道を上って行きます。

ぬくい夢の杜の展望台から温井ダムを見下ろしたところ。
















弓なりに反ったアーチ形状が見てとれる。





























細長く伸びたぬくい夢の杜の展望台を南に歩きながら、
温井ダムを見たところ。




























北に目をやると、赤いアーチの瀧山峡大橋が見えます。





























綿毛になったタンポポです。

















































ヒメオドリコソウです。














赤紫色の葉が並んでいます。














2回目の放流時間の2時が近づき、
温井ダムまで戻って待ちます。

中位標高放流設備から、放流が始まりました。











中位標高放流設備から、水が出ています。





























噴出する水の放物線が、大きくなります。














放流された水が、勢いよく減勢池へ向け落ちて行きます。





























減勢池へ向け放流される様子です。














放流された水を受け止める減勢池の向こう岸では、
多くの人達が見物しています。




























ダムの上から見る放流も迫力があります。

































































































































ダムの西側から、ダムの上を東へ向け歩きながら、
放流を見下ろしたところ。












今、放流が行われている中位標高放流設備の真上辺りから、
真下を見たところ。


















ダムの上を東へ進みながら、放流を見下ろしたところ。


































ダムの東側から放流を見たところ。






















































しわい階段を上った地点から、放流を見たところ。


































そして、放流を見ながら、ダムの上を西へ戻ります。

















































放流が行われている中位標高放流設備の真上から、
放流を見下ろしたところ。


















最後に、ダム記念公園から、温井ダムを見て、
帰途につきました。














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