厳島神社 管絃祭:  01Aug2015



真夏の暑い真っ盛りに、管弦祭は行われる。

平安時代には、貴族が池や河川に船を浮かべ
優雅に管絃の遊びを行っていた。

平清盛は、神様をお慰めする神事として、
管絃の遊びを厳島神社で執り行うようになった。


写真は、厳島神社のある宮島。









管絃祭は、海の神事で、潮の干満を考慮して、旧暦6月17日に行われる。
夕方、日が傾く頃に出御され、夜半に環御される。

概略の予定は以下。
16:00 … 厳島神社の本殿で発輦祭(はつれんさい)を執り行う。
17:00 … 御本殿出御
17:40 … 大鳥居前の儀を行い、対岸の地御前神社へ向かう。
19:00 … 火立岩(ほたていわ)の前で一時停船し、潮がくなるのを待つ。
20:20 … 地御前神社
21:40 … 長浜神社
22:30 … 大元神社
23:10 … 火焼前(ひたさき)
23:30 … 客神社前
24:00 … 御本殿環御






宮島に向かうフェリーから大野瀬戸の方向を
見たところ。


















厳島。いわゆる宮島。



















■厳島神社〜御本殿出御〜大鳥居前の儀

厳島神社の大鳥居が見えて来る。



















既に4時を回っており、発輦祭が始まっている
頃だ。


















大鳥居の前では、御祭神がお乗りになる
御座船(管絃船)の準備が整っている。


















御座船(管絃船)。

呉市阿賀の曳航船二艘も見える。

















フェリーは、大鳥居の前を過ぎて、宮島の
桟橋へ向かう。


















御座船(管絃船)。



















フェリーから千畳閣と五重塔を見たところ。

海上には、別の船が浮かんでいる。

















広島市中区江波の曳航船のようだ。



















厳島御用と書かれた提灯がぶら下がっている。



















大鳥居方向を見たところ。


















大きな黒い屋根が千畳閣、その横に五重塔。



















宮島へ到着し、海岸沿いを厳島神社へ向け歩く。

前方に黒い大屋根の千畳閣と五重塔が見える。























 五重塔。

























大鳥居が見えてきた。

























丁度、干潮で潮がひき、海底の地面が
見えている。

地面は、繁茂したアオサでいっぱいだ。

そして、観光客が、大鳥居の更に向こうの
御座船まで歩いて行っている。













潮がひいた海底へ下りてみる。

本殿方向を見たところ。

















そして、大鳥居を見たところ。



















宮島のシンボルの大鳥居。



















大鳥居の根元で何やらやっている。


























鳥居にくっついたフジツボを利用して、
お金を供えている。



















大鳥居。

歩いて来れるのは、干潮の時だけだ。


















鳥居を過ぎて、御座船へ向かう途中で、
ふり返ったところ。



















フェリーから見た御座船。




















大鳥居をふり返ったところ。




















中央が御座船。

左右両側に、呉市阿賀の曳航船だ。

















大鳥居、本殿をふり返ったところ。



















大鳥居。

人がたくさん集まっている。

















先ほどまで、海底だった地面は、水浸しだ。

スニーカーの私は、水が入らないように、
気を使って歩いていたが、浸みて入って
来る水には逆らえない。
あきらめた。














千畳閣の大屋根、その下には、海岸沿いの
参道が見える。













 




御座船と、両脇に曳航船。



















大鳥居、本殿をふり返ったところ。



















御座船、曳航船を見守る人達。



















御座船や、曳航船が波で流されないように
ロープで引っ張っている。


















大鳥居、本殿方向を見たところ。

普段、海底である地面に立って、
大鳥居や、本殿を見る事は無いので、
貴重な体験だ。
















午後4時を過ぎたとは言え、この時期の日差しは
強い。

鳥居の方へ帰ってみる。

















大鳥居。




















鳥居の下には、たくさんの人がいる。



















西から大鳥居を見たところ。

そう言えば、この大鳥居、柱が地中深く
埋められているのではなく、自重で立っている
らしい。

木なのに、そんなに重く、台風時の波とかに
耐えられるの?って、不思議に思ってしまいます。

鳥居上部の屋根の下に横に通している島木は
箱形の造りになっていて、中にはこぶし大の玉石
7トンが入って重しになっているようです。









鳥居を南西から見たところ。

鳥居の屋根の下には、三日月が描かれている。

その反対側、北東には、太陽が描かれており、
鬼門封じの意味が込められている。














厳島神社の南西、小高い山の上に
多宝塔が見える。

この多宝塔は、大永3年(1523年)に建立された
と伝えられている。















潮が引き、アオサで覆われた地面には、
コサギが来ていた。


















厳島神社を西から見たところ。



















五重塔、木の陰になっている千畳閣方向を見たところ。


























右側に厳島神社、中央に五重塔を見たところ。

厳島神社の平舞台から大鳥居に向け、
海へ突き出た火焼前(ひたさき)には、
御本殿出御の為、海底の地面へ下りる板が
設置されているのが見える。














厳島神社。



















そろそろ、御本殿出御の時間の5時になるので、火焼前(ひたさき)の
前に行って見る。

火焼前から地面に下りる板が設置されている。























火焼前(ひたさき)の前から大鳥居を見たところ。


























高舞台の上に、お祭り衣装の子供が出て来た。

御本殿出御が始まるか、期待が膨らむ。
























高舞台の上に大人も出て来た。



















平舞台の上に、子供を肩車した4組の子供と
大人が並んでいる。


















平舞台の上の人達が動き出した。


























御本殿出御が始まったようだ。




















火焼前(ひたさき)の前に設置された板の上を人が下りてくる。


























子供を肩車した人、旗を持った人、たくさんの人達が行列に
なってます。


























その行列。




















笛を吹いている人もいます。


























御鳳輦(ごほうれん)と呼ばれる御神輿が見えました。

御鳳輦(ごほうれん)とは、屋根の上に金銅の鳳凰を飾りつけた輿
の事。

この中に、御祭神の宗像三女神、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごころひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)が鎮座されているのであろうか?

御本殿の出御です。

















御鳳輦(ごほうれん)が白い衣装の担ぎ手に
担がれて進んで来る。


















神輿の屋根の上には、金色に輝く鳳凰が
飾り付けられている。



















御鳳輦(ごほうれん)が目の前を通り過ぎて
行く。



















行列の歩みは緩やかで、もう一度、
この行列の先まで、追い越して行って見る。


















先ほどの御鳳輦(ごほうれん)がやって来る。



















鳳凰の飾りを乗せ、金と赤の神輿が、
華やかだ。



















鳥居に近づいてきた。




















もう一度、鳥居の先まで行って、
神輿を待つことにする。


















鳥居の先から神輿を待つ。




















行列が鳥居をくぐっている。





















人がたくさん集まっている。



















肩車された子供が見える。


























鳥居をくぐって、行列がやって来た。





















御鳳輦(ごほうれん)がやって来た。



















笛を吹いている人がいる。























左側に、管弦で使用する釣太鼓を持って
運んでいる人もいる。






































御鳳輦(ごほうれん)。




















御鳳輦(ごほうれん)がやって来る。



















御座船へ乗って行く。



















御鳳輦(ごほうれん)も御座船まであと少し。

御座船の手前が少し深そうだ。
足をとられないように。
















御座船へ乗り込む人達。




















そして御鳳輦(ごほうれん)も。



















御座船へ。




















足元に気をつけて。




















乗り込んで行く。


























たくさんの人が見守っている。




















みんなが乗り込んで行く。



























乗り込んで行く。



















御祭神が御座船に移られた。




















大鳥居をふり返ったところ。

気のせいか、少しづつ、潮が満ちて来ているように
感じる。
















御座船を見送る人々。

もうすぐ大鳥居前の儀が始まり、
その後、地御前神社へ向かいます。

















御座船を見送る人々。




















潮が引いた海底で写真撮影する人達。




















海上には、御座船を地御前神社へ曳航する
曳航船がスタンバイしている。

曳航船は、広島市江波の漕伝馬と、
呉市阿賀の漕船2隻。

写真中央は、6丁の櫓(ろ)を持つ阿賀漁協の
阿賀丸。












江波の漕伝馬保存会の漕伝馬。
14丁の櫂を備えている。




元禄14年に御座船が地御前神社から宮島へ
帰還する途中、暴風雨で転覆寸前だったところ
阿賀の鯛網漁船と、厳島神社へ参拝に来ていた
江波の漕伝馬が救助し本殿へ曳航した。

それ以来、阿賀と江波の漕船が、御座船の
曳航をするようになった。








御座船。管絃船とも呼ぶ。

御座船は、和船を3艘並べて、一艘に船組されて
いる。















大鳥居をふり返ったところ。

寄せる波が強くなり、潮が満ち始めている。


















御座船からは、管絃の音楽が鳴り始める。




















大鳥居前の儀が始まった。




















大鳥居前の儀の後は、江波と阿賀の
曳航船によって、対岸の地御前神社まで、
曳かれて行く。

















私も、対岸へ引き返し、地御前神社まで
行って見る事に。



















まだ、たくさんの人が、御座船を見送っている。



















対岸へ引き返す前に、もう一度、大鳥居を
良く見てみる。

下から見上げたところ。

鳥居の高さは、16mある。














斜め横から見たところ。


























鳥居の主柱の根元。

鳥居は、腐りにくいクスの自然木でできている。
























下から見上げたところ。

扁額に書かれている文字は、海側と神社側で
文字が違う。

海側は、嚴嶋神社、そして、神社側は、
伊都岐島神社と書かれている。













大鳥居の影が大きく伸びている。



















なごり惜しいが、対岸へ渡る為に、
フェリー乗り場へ急ごう。


















厳島神社にも別れを告げる。



















かなり日が傾いている。



















沖合には、御座船と、御座船を見守る船が
浮かんでいる。


















海岸沿いの参道から、鳥居方向を
ふり返ったところ。
















■火立岩

地御前神社へ向かうために宮島の対岸へ渡る。

但し、御座船が地御前神社へ向かう前に、御座船は、地御前神社前へ船がつけれるよう、
潮が満ちるまで、火立岩(ほたていわ)の沖で潮待ちをする。


フェリーが対岸の宮島口へ着くと、広島電鉄の
電車に乗り、火立岩(ほたていわ)に近い駅の
阿品東駅で降りる。

駅の前から沖合を眺めたところ。


手前は、広島で有名な牡蠣の抑制棚。
潮の満ち引きで、牡蠣が日に当たる時間と
海水に浸かる時間を持つ事により、牡蠣に
抵抗力がつく。
その牡蠣を牡蠣筏へ吊るし育てる事で、
美味しい牡蠣に成長するらしい。








既に沖合に御座船を見る事ができる。




















御座船と、御座船を曳航する曳航船だけでなく、
取り巻きの船が連なっている。



















火立岩は、今は既に無くなっており、
海岸には、牡蠣の抑制棚が連なっている。

かなり長い。
















火立岩(ほたていわ)跡の標中。

火立岩の名前は、御座船がこの辺りで
火を点じた事に由来する。

また火立岩は、厳島合戦(1555年)の折りに
毛利軍が荒天をつき、この辺りから出船し、
陶晴賢の大軍を破ったと言う事だ。












目の前に、広島牡蠣の抑制棚。

向こうに見える島が宮島。

















火立岩沖の御座船と曳航船。

ここで、潮が満ちて、地御前神社前へ
船がつけれるようになるまで、潮待ちをする。














■地御前神社

御座船が火立岩沖で潮待ちをしている間に
国道2号線を歩いて、地御前神社へ向かう。

地御前神社が見えてきた。
















この湾に御座船が入ってくるのだが、
今は潮が満ちている最中で、御座船が入って来るには、まだ浅いのだろう。


















国道2号線と平行に走っている広島電鉄の
鉄道を渡り、地御前神社へ向かう。



















神社へ人が集まって来ている。




















神社の前の鳥居。




















地御前神社は、厳島神社の外宮として、
厳島神社と同じ593年に創建されたと
伝えられている。

御祭神は、これも厳島神社と同じく、
宗像三女神の市杵島姫命(いちきしまひめの
みこと)、田心姫命(たごころひめのみこと)、
湍津姫命(たぎつひめのみこと)である。













そして、地御前の名前は、島ではなく、本土側の
陸地にあると言う事で、「地の御前の社」と
称されていた事に由来する。


















そして、御座船がやって来る地御前塵社の
前の浜に出て見る。

御座船が着く雁木には、もう人が座って
待っている。
















江波の漕伝馬が先行してやって来た。




















江波の漕伝馬。

四斗樽の上に立った台振りに合わせて、
船を漕いでます。


















浜までもう少し。




















江波の漕伝馬。




















浜に到着です。



















漕伝馬の向こう、海に出て行く小さな船は、
潮待ちをしている御座船を迎えに行く御迎船か?



















日が沈み、暗闇の中から御座船がやって来た。



















篝火を灯した船がやって来る。




















船影が浮き上がってくる。




















御座船。




















あともう少し。




















海岸の雁木へ到着だ。

海岸では提灯を持った神官が迎えている。
そして、管絃の音楽が奏でられる。
















満月が海上を照らす。



















この船は、先ほど御座船をお迎えに行った
御迎船かな?


















神事が行われているようだ。




















神事が終わり、御座船が岸から離れ、
左回りに三匝(3回まわる事)する。









































































三匝の後、宮島へ、長浜神社、大元神社をまわられ、厳島神社 御本殿へ環御される。

この日、見る事はできなかったが、長浜神社の提灯行列や、最後の厳島神社の枡形での三匝は
いつか見に来てみたいと思う。



■参考
・2012年に、宮島を訪問した時の紹介は、ココ。(←クリックしてね!)

・広島市中区役所のHPに、管絃祭について、以下の説明有り。
「厳島神社の御祭神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が白馬に乗って対岸の地御前神社の
神に会いに出向かれた(逢引き)のを、お迎えに行く祭事。」
一方、宮島観光協会のHPの管絃祭の説明には、こんな事は書かれて無い。
そう言う言い伝えもあると言う事か?



 

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