地御前神社 御陵衣祭: 18Jun2018


旧暦五月五日、端午の節句に、
地御前神社で御陵衣(ごりょうえ)祭が行われます。

この御陵衣祭では、流鏑馬神事が行われる事から
別名、「馬とばし」とも呼ばれています。

その御陵衣祭へ行って来ました。

広島電鉄宮島線の地御前駅で降り、
国道2号線を南へ、その2号線の東側に、
地御前漁港があります。



その地御前漁港です。













国道2号線を南下すると、地御前神社が
見えてきます。

宮島の厳島神社の対岸の陸地に位置し、
厳島神社(本宮)の御前にあるので、
「地の御前社(じのごぜんしゃ)」と呼ばれて
いました。

これが地御前と言う地名の由来となってます。





地御前神社を、南から見たところ。

地御前神社は、厳島神社の摂社であり、
御祭神は、
 ・市杵島姫命
 ・田心姫命
 ・湍津姫命
です。






地御前神社です。

右が拝殿で、その奥に本殿が見えてます。











その拝殿の南側、神社境内に、馬が繋がれてます。













白馬です。

御陵衣祭の祭典が行われる前に、
神馬巡行の儀が行われます。

この白馬は、神馬であり、衣装をつけ、
背鞍には祭神の依り代の神籬(ひもろぎ)が
立てられています。

白馬の奥には、栗毛の馬がいます。
栗毛の馬は、流鏑馬神事、馬とばしで、
射手が乗る馬です。


衣装をつけた白馬です。

たてがみと尾には紙垂がついてます。











道路の反対側に停めてあったトラックの荷台です。

このトラックで馬が運ばれてきたようです。

元々、神馬(白馬)は、昭和30年代までは、
厳島神社の入口の神馬舎で飼われており、
栗毛の馬でも神社で飼われると白馬になると
伝えられてきました。

今では、神馬の役は、近隣の県で飼われている馬と言う事です。









地御前神社です。

南東から見たところ。

手前が拝殿で、奥に見える屋根が本殿です。

本殿は、拝殿の陰に隠れて見えませんが、
2棟あり、向かって右の1棟は、大宮本殿で、
左の1棟は、客神社本殿です。





拝殿内部の絵馬です。

宮島の大鳥居と、 管絃祭 の御座船が
描かれているようにも見えますが、
ここは地御前神社です。
ここ地御前神社にも、宮島のような大鳥居が
海中に建っていたのだと思います。







地御前神社です。

北から見たところ。











東側、鳥居の正面から見たところ。













鳥居の手前右側の狛犬です。


















鳥居の手前左側の狛犬です。


















先ほどの神馬(白馬)です。


















その柵の外には、「皇威輝八紘」の石碑があります。

大正二年十一月に建てられたもので、
陸軍大将伯爵寺内正毅の書と言う事です















神馬(白馬)です。

背鞍には祭神の依り代の神籬(ひもろぎ)が
立てられています。










その神籬(ひもろぎ)です。













神馬巡行の儀が始まるのを待ちます。













地御前神社の前の道です。

露店も出ています。











白馬が、神馬の役を担います。

栗毛の馬は、流鏑馬神事で、射手を乗せます。











白馬の後姿です。


















白馬の前に周って見ます。

神馬(白馬)巡行の前に腹ごしらえしています。
















白馬を前から見たところ。


















なかなか目を合わせてくれません。













栗毛の馬です。

栗毛の馬は、流鏑馬神事で、射手を乗せます。
白馬に比べ、見た目、若々しく元気がよさそうです。















神馬巡行を先導する獅子頭が出てきました。













神馬巡行を先導する獅子頭です。













そして、神馬(白馬)も、出番待ちです。


















神馬の役を担う白馬です。

たてがみから紙垂が下がっています。
















神馬(白馬)の出番がきました。













付き人に引かれて、神馬(白馬)が出てきます。

近くに獅子頭も見えます。











地御前神社の前で、
神馬巡行の儀が始まるのを待ちます。

神馬巡行の儀は、神馬お渡の儀とも
呼ばれています。









地御前神社の前から、
神馬巡行の儀をスタートします。












付き人に引かれて、神馬が出発し、
地御前地区を巡行します。

















地御前神社の横で、
地御前小学校の生徒達がお見送りです。












地御前小学校の生徒達が整列しお見送りです。













地御前神社の裏手を山陽本線が通っており、
神社のすぐ北側に踏切があります。

ちょうど電車が通った為、踏切待ちです。















踏切待ちの時間に、写真を撮らせてもらいました。


















神馬巡行を先導する獅子頭です。

獅子頭は、大きく重そうです。











踏切待ちで巡行が止まってます。













踏切待ちの神馬です。


















左側、先頭が獅子頭で、
その後ろに、神紋の入った柄杓を持った人が
います。











獅子頭です。













踏切が上がり、再び、進み始めます。

大歳神社前には、
流鏑馬神事で使用する的が準備されています。

右端は、地御前小学校です。








大歳神社の鳥居の横に設置された
流鏑馬で使用する的です。












神馬の後に続き、
地元の高校生でしょうか?
子供達が菖蒲を積んだ荷車を引いて、
菖蒲を屋根に投げ上げて配って歩きます。

この御霊会祭が行われる端午の節句は、
菖蒲とヨモギを束ね、軒に掲げて祝い、
菖蒲を風呂に入れて薬湯にしてたと
言われてます。





大歳神社の下、鳥居の横に、
流鏑馬の的が3つ設置されています。












神馬に続いて、菖蒲を積んだ荷車、地元の方々と、
巡行に参加する人達が、行列になって続きます。

















神馬に続いて進む菖蒲を積んだ荷車です。













菖蒲を積んだ荷車です。













欲しい方には、
菖蒲を屋根の上に投げ上げたり、
軒下に置いて配ります。











神馬に続き、菖蒲を積んだ荷車も、
一緒に巡行します。












先頭は獅子頭で、次に柄杓、
そして、神馬が続きます。












そして、神馬の後は、
菖蒲を積んだ荷車が続きます。

















神馬の後を巡行していきます。

右端に、旧街道・道標がたってます。

道標の正面に、「右 広島道」、
側面に「明治九年五月 発起」とあります。













付き人と一緒に巡行する神馬です。


















神馬です。
































巡行を先導する獅子頭です。

バックに見えるお堂は、観音堂です。
正式には、智秀山 観音堂で、開基は不明です。
御本尊は、十一面観世音菩薩です。









神馬が、観音堂前を過ぎて行きます。













地御前小学校の前を、
下校中の子供達と一緒に、
地御前神社へ向け、帰って行きます。











地御前神社へ帰ってきました。













地御前神社の前に出ている
露店の前を進みます。












神馬の背中の神籬が下ろされ、衣装を脱いで、
元繋がれていた栗毛の馬の横に帰ってきました。












次は、流鏑馬神事に向け、
栗毛の馬の背中に鞍を置き、
たてがみと尾に紙垂を着けています。











たてがみから紙垂を垂らした栗毛の馬です。


















神馬の役を担った白馬のたてがみの向こうに、
栗毛の馬の顔を見たところ。












白馬の向こうの栗毛の馬を見たところ。













拝殿への南側の上がり端には、
神馬の背中に立てられていた神籬と、
神馬巡行を先導した獅子頭が置いてありました。
















その神籬と、神馬巡行を先導した獅子頭です。













流鏑馬神事で射手が乗る栗毛の馬です。













その栗毛の馬です。













栗毛の馬を後から見たところ。


















栗毛の馬、
その向こうは神馬の役を担った白馬です。












白馬と、栗毛の馬です。













端午の節句に合わせて行われる御陵衣祭では、
拝殿で子供の成長を祈る祭典が行われています。

拝殿の南側入口から、拝殿の中を見たところ。










拝殿の東側入口へ移動し、内部を見たところ。

祭典が続いています。

御祭神として、
 ・市杵島姫命
 ・田心姫命
 ・湍津姫命
の三柱が祀られています。





祭典が終わり、次は舞楽が2曲奉奏されます。













舞楽が始まるまで、外を見ていると、
トラックへ白馬が積まれています。

神馬としての役目を終えたので、
一足先に帰るみたいです。









トラックの荷室の中に、白馬の顔が見えます。

お疲れさまでした。











拝殿の東側入口から中を見ていると、
曲がなり始め、舞人が登場してきます。

蘭陵王です。










舞楽、蘭陵王が始まります。


















北斉の蘭陵王、長恭は、美しい容姿により、
戦において自軍の指揮が上がらない為、
恐ろしい形相の面をつけて指揮をとり、
周の大軍に勝利しました。
その武勲を称え舞楽が作られました。














その舞楽、蘭陵王です。

右手には金銅製の桴(ばち)を持ち、
大軍を指揮する指揮官の威厳を表します。










舞楽、蘭陵王は、
舞台上を活発に動きまわる
代表的な走舞(はしりまい)です。

























装束は、赤系統を基調とした演目固有の別装束で、
中央に穴を開け首を通す
裲襠装束(りょうとうしょうぞく)を着用します。











そして、その裲襠装束は、
周囲を毛で縁どった
毛縁装束(けべりしょうぞく)です。

























拝殿内部です。

正面には、大宮本殿があり、
大宮本殿と階段で繋がっています。










その大宮本殿の前で舞楽が奉奏されており、
その手前には、御陵衣祭の祭典に参加し、
そして、舞楽を見ようと集まった人達がいます。











舞楽、蘭陵王の舞が続きます。














































































































































































































































































顔には、龍または金翅鳥を模した
恐ろしい形相の面をつけています。

また、その面は、
舞人の動きにあわせて動く吊顎(つりあご)や動目(うごくめ)の
仕掛けを持ってます。





























































































































































































































































































































舞楽、蘭陵王が終わりました。



























舞楽 蘭陵王を終え、帰って行きます。













蘭陵王が終わり、
拝殿の南側入口から、拝殿の中を見たところ。

次の舞楽の演目、納曽利の舞人が、
準備を終え、座って待ってます。














納曽利の舞人が立ち上がり、
拝殿の中、大宮本殿の前に向かって、歩いて行きます。

















大宮本殿の前に向け、歩を進める納曽利の舞人です。


















拝殿の東側、大宮本殿の正面から、
拝殿内部を見たところ。












舞楽、納曽利が始まっています。













納曽利は、
舞台上を活発に動き回る走舞(はしりまい)で、
通常は二人で舞う二人舞です。

しかし、ここ地御前神社では、
楽蹲と呼ばれる一人舞が奉奏されています。




































装束は、青系統を基調とした演目固有の別装束で、
中央に穴をあけ首を通す裲襠装束です。

そして、周囲を毛で縁どった毛縁装束になってます。














































































































































































































































動目(うごくめ)と、吊顎(つりあご)を持つ
木製の龍を模した面をつけ、
手には銀色の桴(ばち)を持ちます。



























































































































拝殿の北側入口へ場所を移動し、
拝殿の内部をみます。

目の前で、納曽利の奉奏が行われています。
























顔には、
動目(うごくめ)と、吊顎(つりあご)を持つ
木製の龍を模した面をつけています。


















































































納曽利を終え、舞人が帰って行きます。
































帰って行く納曽利の舞人です。





































舞楽、蘭陵王と納曽利の二曲の奉奏された後、
流鏑馬が行われます。

拝殿の南側では、流鏑馬の騎手が、
栗毛の馬に騎乗し準備をしています。









その流鏑馬の騎手です。









































流鏑馬の騎手が、栗毛の馬に騎乗し、
拝殿の前へ出てきます。












騎手は、笠をかむり、狩衣を着て、
矢筒を背負い、弓を持って騎乗しています。








































拝殿の正面へ、
騎手と、騎手が騎乗した栗毛の馬が
出てきます。

























大宮本殿に向け、拝殿の前から、礼をします。













そして、拝殿の前で、
反時計回りに三匝(三回廻る)します。

一回目を廻っています。






































そして、二回目を廻ります。



























二回目を廻り終え、三回目を廻ります。













地元の地御前小学校の生徒が見守ります。













三回目を廻り終えると、弓に矢をつがえます。













そして、天を射る型です。



























そして、地を射る型です。





































次は北を射る型です。











































































南を射る型です。






























































































東を射る型です。






























































































そして、西を射る型です。


















天地を打ち、北南東西に矢を放ち、邪を払い
天地が永久である事を願う
天長地久の儀です。

















































天長地久の儀を終え、いよいよ流鏑馬です。

平家が源氏に敗れた後、鎌倉時代に
藤原親実が厳島神社の神主に任命され、
鎌倉武士の武芸である流鏑馬が
神事に取り入れられました。













流鏑馬神事が行われる大歳神社下へ向かいます。


















この流鏑馬神事は、馬とばしとも呼ばれています。

かつては、
地御前神社前から観音堂の間を射手が馬に乗って疾走し、
途中、馬上から的を射ていました。

しかし、現代の道は、アスファルトで舗装されており、
馬は疾走でき無い為、
ゆっくりと的の前まで移動し、的を射る事になります。










旧佐伯郡地御前村の総氏神として、
大國魂神が祀られた大歳神社下には、
流鏑馬の的が3つ、間隔を開け、並んで立ってます。

最初の的の前で、弓に矢をつがえます。














的に向け弓を構えます。













的を狙って矢を放ちます。



























そして、次の的の前で、
的を狙って弓を構えます。












矢を放ち、的を見ると、的へ命中しています。



























3つの的に向け、矢を射た後は、
端午の節句のお祝いと言う事で、
赤い鉢巻をした初節句の男の子が、
流鏑馬の射手に抱っこしてもらってます。










抱っこしてもらっている男の子です。
























































泣いている子供もいます。
































初節句の男の子を抱っこした後は、
かつて流鏑馬で疾走したコースを
北へ向け、ゆっくり進みます。











途中、智秀山 西向寺があります。

西向寺の山門です。

西向寺には珍しい松があると言う事で
寄ってみました。








山門を入ると、
山門から本堂に続く石畳の上を覆うように、
1本の松の枝が広がってます。

蓮華松、天蓋松、または、天井松と呼ばれています。








西向寺を出て、流鏑馬の馬を追って進んで行くと、
道の横の掲示板に、地御前 史跡MAPがありました。



























流鏑馬は、西向寺の前を通り、
観音堂、地御前市民センターを過ぎ、
しばらく進んだところで、引き返します。

ところどころに古い町屋が残ってます。








この建物には、
岡野醤油醸造場の看板があります。


























古そうな町屋が残ってます。



























町屋の間を抜け、大歳神社前に戻ります。

そして、2回目の流鏑馬です。
騎乗の射手が、弓で最初の的を狙います。

的の輪を外れましたが、的板に矢がささってます。








二つ目の的を狙います。













矢を射ます。













的の輪の中に命中しています。













次は3つ目の的へ向かいます。













3つ目の的絵を射ます。













先ほどのコースを往復し、
再び大歳神社前へ戻り、3回目の流鏑馬です。












弓を構えます。













最初の的を射ます。













次は2つ目の的です。













矢を射ます。













輪の中に命中しています。













次は3つ目の的です。













的を狙います。













的を射ます。













中央の一番小さな輪に命中しています。

そして、先ほどのコースを往復し、終わりです。

















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