厳島神社 桃花祭 御神能二日目:  2017.04.17



一昨日は、厳島神社の桃花祭で、御祭神へ桃の花が供えられ、舞楽が奉納されまました。
そして、昨日は御神能の初日、喜多流の能が奉納され、今日は御神能の二日目、観世流の能が
奉納されます。また、明日は、御神能の最終日、再度、喜多流の能が奉納される予定です。
狂言の流派は、大蔵流です。

ちなみに、能の流派は、役籍により流派は異なり、シテ方の流派は、観世流、宝生流、金春流、金剛流、
そして、喜多流の能楽五流に分かれてます。


フェリー乗り場のある宮島口へ向かいます。  

今日は朝から雨で、宮島も雨に煙ってます。


 










フェリーで宮島に向かう途中。















牡蠣筏。

雨が降っていても、牡蠣筏へ船をつけ、
作業をしています。












宮島の大鳥居も雨に煙ってます。















豊国神社も雨に煙っている。















厳島神社へ向かう途中。















五重塔と、黒い大屋根の豊国神社が見える。















御笠浜と大鳥居。















大鳥居。















厳島神社。















昇殿初穂料を納め手水舎で手水を使い
入場します。

東廻廊の右手に、客神社の祓殿があります。
祓所にある祓串で、お祓いをします。











客神社を過ぎると、干潮時のみ現れる
鏡の池があります。














そして、東廻廊で囲われた枡形。















東廻廊から延びる平舞台。















西廻廊の脇には、奉納された酒樽が
積まれてます。














奉納酒樽の横をまっすぐ進むと、長橋が
あります。














西廻廊の北側に特設された見所から
能舞台を見たところ。














そして、能舞台へ続く橋掛かり、鏡の間を
見たところ。

左端は見所。

橋懸りの前には、三本の松があり、右から
一ノ松、二ノ松、三ノ松。









最初の演目は、初日同様に「翁(おきな)」で
ある。

最初に登場するのは、白色尉、黒色尉、神楽鈴
を納めた面箱を捧げ持つ面箱持です。

初日の喜多流では、面箱持を千歳が兼ねて
ましたが、観世流では面箱持と千歳の役割が
分かれてます。







そして、シテ(主役)、千歳、三番三(叟)、囃子方と
続き、シテが深々と礼をします。

この登場の仕方を、翁渡りと言います。












シテは笛座前に着座し、面箱が据えられます。















囃子方、地謡方が着座し、準備が進められ
ます。














囃子方による小鼓、笛の囃子が始まりました。















小鼓。






















シテが謡出し、地謡との掛け合いが始まります。















千歳が、謡い出し、露払として舞います。















千歳の舞。















千歳が舞う間に、シテは翁の面をかける。

白色尉の面とも言う。













シテが面をかけるのを後ろから手伝うのは、
後見の役割。














翁の舞が始まる。















翁の舞。















翁の舞は、天下泰平、国土安穏の祈祷の舞である。






















シテが翁の神となって舞う。















 白色尉の面をつけたシテ。















舞を終えると、元の笛座前に戻り、翁面を
外して、面箱へ戻す。

そして、舞台正面の前に進み、腰を落として
深々と一礼し、橋懸かりより退出する。

これを翁帰りと言う。









次に、三番三(叟)が進み出て、「揉ノ段」を
舞う。














 三番三(叟)の揉ノ段。






















三番三(叟)が、能面をかけない直面(ひためん)
で舞う。














揉ノ段。















揉ノ段。















三番三(叟)が揉ノ段を舞い終えると、次は、
黒色尉の面をかけます。














黒色尉の面をかけた三番三(叟)。





















黒色尉の面をかけた三番三(叟)。















面箱持ちが、鈴を渡す。















鈴を持った三番三(叟)が舞を始める。





















「鈴ノ段」である。















三番三(叟)が鈴を持って舞う。















鈴ノ段。





















鈴ノ段。





















舞を終えると、黒色尉の面を外し、面箱へ戻し、退出する。





















続いて、脇能を演じる者は、舞台に残り、
その他は退出する。

脇能とは、翁の次に演じられ、翁の脇におかれる
事から、脇能と呼ばれます。

また、翁は「能にして能にあらず」、その翁の次、
一日の最初に行われる能として、一番目物(能)
とも呼ばれます。






この日の脇能は、「鶴亀(つるかめ)」です。

後見により、鶴亀の舞台の準備が進められて
います。












いにしえの中国、新年を迎えた皇帝の宮殿で
正月の行事が行われます。

白赤緑の揚幕が上がり、鏡の間から、皇帝に
仕える官人が登場します。











皇帝が月宮殿にお越しになるので、殿上人は皆参上するように
触れ回ります。





















そして、皇帝(唐の玄宗皇帝)が登場します。















皇帝に続き、殿上人が登場します。















出御された皇帝。















そして、大臣が、鶴亀に舞をまわせられ、
その後、舞楽を奏せられるよう奏上する。














鶴亀の登場です。

先頭が鶴で、後ろに亀が続きます。













そして、鶴亀が舞います。















鶴の舞。






















頭には、飛翔する鶴の台を載せている。






















毎年の佳例となっている鶴と亀の舞。















亀の舞。

頭に亀の台を載せている。




















鶴と亀が舞って皇帝の長寿を祝うと、皇帝も
喜び、自ら舞楽を舞い、祝賀を盛り上げる。














皇帝の舞。







そして、祝賀を終えて、長生殿へ還御される。







次は狂言「二人大名」です。















シテの大名は、太刀を持って登場し、アドの
大名を訪ねます。














そして、大名が二人、伴を連れずに都へ
向かう事に。














シテの大名は、召し使う者を方々に遣わし、
誰も家におらず、自ら太刀を持って来た事を
語ります。













アドの大名は、家を出る前に言ってくれれば
と悔やみます。














シテの大名は、通りかかった者に持たせよう
などと言い、野に腰を下ろして休む事に。














そこへ通りかかりの男がやって来て、
急ぎの使いに行く者と言い、人に使われて
いると毎日が忙しいと愚痴ります。













大名は、この男に声を掛け、同道を求めます。















そして、男に太刀を持つよう無心します。















しかし、いやいやながら太刀を持った男の
持ちぶりをけなします。














男は、太刀持ちを断りますが、それでも
大名は、無理やり太刀を持たせます。














大名の増長ぶりに怒った男は、太刀を
抜きます。














太刀をかざして、大名たちに鶏の真似を
命じます。














大名たちは、「ならぬ、ならぬ」と断るが…。















結局は、太刀の力には、かなわない。















「やるわいや、やるわいや」と言う事になる。















二人の大名が向き合って、















鶏の真似を始めます。















コーッ、コッ、コッ、コッ、コ、コ、コケーッ、コケーッ!

見事な鶏を演じます。













そして、次は、太刀をかざして、大名が着ている
小袖をよこせと要求する。














「ならぬ、ならぬ」と断るが、結局、命には
変えられないと言う事になる。














そして、最後に、京で流行る「起き上がり小法師」
の真似をするよう言う。














「京に京にはやる おきあがり小法師 殿だに
見れば ついころぶ ついころぶ 合点か 合点
じゃ」と、小歌を謡いながら、「起き上がり小法師」
を真似する。

その間に、通りすがりの男に、太刀や小袖を
持ち逃げされます。

「やるまいぞ やるまいぞ」と叫んだ時には、
時すでに遅し、でした。






次の演目は、「経正(つねまさ)」です。

二番目物(能)に分類され、戦で修羅道に
おちた武将を主題とした修羅物とも呼ばれ
ます。


最初に登場するのは、僧の行慶。

ここは京都 仁和寺。
一の谷の合戦で討ち死にした平経正の弔い
の為、管絃講が行われる事を告げます。




経正の幽霊が橋掛かりに登場しました。















経正。

おん弔いのありがたさに、恥ずかしながら
経正が幽霊、これまで参りたり。












女性と間違いそうな経正の面。















そも経正の幽霊と答える方を見んとすれば
また消え消えに形も無くて、声はさずがに
絶え残って…。














ワキの行慶には、シテの経正の幽霊は
見えません。




















まぼろしの常なき世とて経正の、…、もとの
浮世に帰りきて…。













たとえ夢であろうと現(うつつ)であろうとも、
法事の功徳の力で、亡者と言葉を交わすとは
なんとも不思議な事である。













宮中において、その名を諸人に知られるように
なったのも、ひとえに君のご恩徳なり。
手向けてくださった青山の琵琶は、生前に弾く
ことを許されて、手になじんでいる。











経正は、その青山の琵琶を弾く。

手向けの琵琶を調ぶれば、不思議なや、晴れた
空がかき曇り、俄かに降って来た雨音がする。












いや、雨にてはなかりけり。

大絃はそうそうとして村雨のごとし。
小絃はせつせつとして、ささめ言(私語)に
異ならず。











朝を告げる鶏も心して、管絃の夜遊の時との別れを引き延ばせよ。






















経正は、夜遊の時を楽しむのであった。















ああ、名残惜しい夜遊の時よ。















しかし、それも束の間、修羅道に堕ちた身には
憤りの心が起こります。














ああ、恨めしいことよ。















行慶が、「先に見えた人影が再び現れたのは
経正か」と問うと、














あら恥ずかしや、瞋恚(しんい)のありさま。
はや人に見えけるか?

あの燈火(ともしび)を消したまえ。



参考までに、瞋恚(しんい)とは、怒りの事。








帝釈、修羅の戦いは、火を散らし、瞋恚の矢先は
雨となり身にかかれば、払う剣は他を悩まし、
われと身を切る。













夏の虫の火を消さんとて、飛び入りて、嵐と
ともに燈火を吹き消して、


ちなみに、この扇、波に沈む入日の図柄で
衰退する平家を表している。









暗まぎれより、魄霊(はくれい)は失せにけり。















次の演目は、狂言の「伯母ヶ酒(おばがさけ)」。

酒屋の伯母と、酒好きの甥が登場します。

伯母は、ことの外、しわい人(けちな人)で
売る為のたくさんの酒を、今までに一度として
飲めと申された事が無い。

これより、伯母のところへ参り、酒をねだろうと
思う。






しかし、少し雨が強くなってきました。

野外の能舞台なので、能の最中に、鳥の
鳴き声や、波の音、雨の音、など聞こえて来て
能楽堂などとは違って、それは、それなりに
趣があって良いと思うけれど、こう雨が強いと
せっかくの狂言が聞こえない。









そなたの酒を売ってしんぜるので、利き酒に
ひとつ振る舞わせられい。

甥は、伯母のもとへ行き酒をねだります。












利き酒には、及びません。ただ、良い、良いと
だけ言って、売っておくりゃれ。

と言う具合に、酒を飲ませて貰えません。


あれあれ、あの通り、しわい人じゃ。
何とか只酒を飲みたいものじゃ。

思いついた。致しようがあった。






雨が強く降ります。















雨だれの音で、演者の声が聞こえません。















只酒を飲むいい方法を思いついた甥は、
酒屋の伯母のところへ戻る。

さいぜん、申し残したござるによって、わざわざ、
立ち戻りました。

この間、私の在所へ、鬼が出て、村の若い者が大勢棒を持って追い立てると、こちらの在所へ逃げたとやら申しまする。
御用心なされたらようござりましょう。






ああ、恐ろしや、恐ろしや。

怖がる伯母は、店を閉めます。













そこへ、甥は鬼の面をつけ、戻ってきます。

恐ろしや、恐ろしや、鬼が出た。
命ばかりは助けてください。

おのれは、一度も甥に酒を飲めと言うたことが
無い。
酒を飲ませばよし、飲まさぬならば、一口に
いで喰らおう。

飲ませまする。飲ませまする。





それなら、この鬼も、これから蔵へ行って酒を
飲むが見るな!

見はいたしません。見る事では、ござらん。












鬼に化けた甥は、何度も見るなと念を押し、
蔵の扉を開ける。

ガラ、ガラ、ガラガラガラ。


















おびただしい酒壺じゃ。

渋紙で覆いをしたのがある。
まず渋紙をのきょう。

良い香がするわ。



と言う事で、酒を飲み始める。












しまいには、面を横にずらして
飲み始める。














そして、とうとう酔っぱらって、眠ってしまう。

しかし、ものを言わなくなった鬼に近づいて
見て見たら、鬼じゃ鬼じゃと思うたら、甥御殿で
あった。

許させられい。許させられい。

やるまいぞ。やるまいぞ。

最後に、伯母にはバレてしまうが、まんまと
只酒を飲んで、甥は逃げて行く。




次の演目は、「野宮(ののみや)」です。

三番目物(能)に分類され、女性をシテとし、
優美な舞を見せるもので、「鬘物(かずらもの)」
とも、言われている。











雨が激しく降り、声が聞こえにくい状況もあり、
トイレ休憩で席を立つ。

西廻廊から、能舞台、見所を見たところ。












客神社祓殿と東廻廊で囲われた枡形。

その向こうには、雨に煙る大鳥居が見える。













枡形、そして、東廻廊を超えて、五重塔と
豊国神社の大屋根が見える。














御本社祓殿の前から、雨に濡れた高舞台、
その向こうに大鳥居を見たところ。














御本社祓殿横から能舞台、そして、鏡の間
方向を見たところ。














西廻廊から能舞台を見たところ。















西廻廊の南側には天神社、その向こうには、
反橋が見える。














「野宮(ののみや)」が演じられている
国宝の能舞台。


晩秋の嵯峨野を訪れた旅の僧が、旧跡の
野宮を参拝すると、榊の枝を持つ一人の女が
現れる。









ここは昔、伊勢神宮に仕える斎宮とされた
お方が、伊勢に立つ前に仮にお籠りになった
野の宮です。













光源氏が六条御息所(みやすんどころ)を慕って、この野の宮に
詣でられたのが、今日、長月7日(旧暦9月7日)に当たります。

その時、光源氏が、神垣の内に挿し置かれたのは、榊につけた
手紙でした。


女が左手に持つのは榊の枝。














世の中は移り変わり、変わらぬものは榊の
緑ばかり…。

女は手にした榊を神前に供え、静かに祈りを
捧げます。











六条御息所(みやすんどころ)は、桐壷帝の弟君で前皇太子の
妻であったが死別し、忍んで来ていた光源氏の足も遠のく。

それでも、光源氏は御息所を決して見捨ててはいなかった。
はるばる嵯峨野の野の宮まで、御息所を訪ねていらしたのは、
こまやかな情愛ゆえであった。

















そして、いよいよ伊勢へ、斎王となった幼き娘と
一緒に下向する日、寄る辺なき身の御息所は、
光源氏に別れの歌を詠み、旅路についたのです。













その時、野外の能楽堂ならではのハプニング
が…。

折りからの雨に加え、風が強くなり、鳥居の
作り物が倒れてしまった。




鳥居の作り物を元に戻して、倒れないように
足元に砂袋で重しをする。





話を聞けば、ただの里の方とは思えない御様子。
旅僧は、女の名前を尋ねる。


女は、御息所はこの私であると答え、消えて行く。











旅僧は、御息所を弔うための供養を行います。

幽かな月の光の下、微かに車が近づく音が
する。












御息所が、野宮の秋の千草をまとった車に
乗って現れる。














そして、賀茂の祭りの車争いの記憶が蘇る。















多くの人々が集う中、やって来たのは、光源氏の
正妻の葵上(あおいのうえ)。

車を止める場所が無く、そこにあった御息所の
車が押しのけられる。











この屈辱も、苦しみも、前世の罪の報い、どうか
この妄執を晴らしてください。














御息所は、昔を偲び、月光の下で舞う。















昔を思い花のように美しい袖を月に翻せば、
昔に還れとでも言うかのような気配であるよ。














私がこの地にいたのもすっかり昔のこと。















小柴垣を、こうやって露を払って来て下さった
あの方も、もう遥か昔の夢となってしまった。














旧跡に誰を待つのか松虫の音が、りんりんと響き懐かしい。






















この野宮は、伊勢神宮に連なる恐れ多い神域
である。














その鳥居を出入りする姿は、生死の道に迷う
有様で、神は許して下さらないであろう。














そう言って、御息所は、車に乗り込んだが、
そのまま火宅の門を出て、迷いの世から
抜け出せたのか。













次の演目は、狂言「清水(しみず)」。















太郎冠者は、主人から野中の清水に行き、
茶会で使う水を、秘蔵の桶に汲んで来るように
命じられる。

さてさて迷惑な御用を仰せ付けられた。
水汲みを面倒に思う太郎冠者は、
「水を汲もうとしたら、鬼が出て逃げて帰った。」
と嘘をつきます。

そこで主人は秘蔵の桶を惜しみ、「桶を取って
来る。」と、自ら清水へ出かけます。

太郎冠者は、仕方がないので、清水へ先回りし
鬼の面をつけて待ちます。


そして、主人が清水へやって来ると、「いで喰ら
おう。いで喰らおう。」と脅します。

「おそろしや。おそろしや。」
主人は逃げ帰り、鬼が出たと太郎冠者に
話します。

そして、主人は太郎冠者に鬼に出会った時の
様子を尋ねます。

太郎冠者は、鬼が大きな声で「いで喰らおう。
いで喰らおう。」と行った事を話すと、その声は
先ほどの鬼の声にそっくりです。



あやしんだ主人は、もう一度、桶を惜しみ、探しに
いきます。

そして、鬼に化けた太郎冠者が再び出てくると、
鬼の面を奪われて、正体がバレてしまいます。

太郎冠者は、「許されませ。許されませ。」

主人は太郎冠者を追いかけながら、
「やるまいぞ。やるまいぞ。」

二人は退場して行きました。




次の演目は、「放下僧(ほうかぞう)」です。

四番目物(能)、雑能に分類されます。




下野の国の住人、牧野左衛門何某の子、
小次郎が、父親の敵討ちの為に、寺で修業を
している兄を訪ねます。






兄は、多勢に無勢であり、時期を待つように
いさめます。
しかし、小次郎は、「岩の虎退治」の故事を用い、
一念を貫けば不可能も可能になると説き、
兄弟は命を捨てる覚悟で敵討ちに向かいます。











その敵討ちの相手、相模の国の利根信俊が
登場します。














利根信俊は、「近頃、立て続けに夢見が悪い
ので、瀬戸の三島明神に参詣する。」と、家来に
船の用意を命じ、













また、自分の名を明かさぬように念を押す。















その時、家来が放下が近づいて来るのに気づく。

放下とは、禅宗で一切の失着を断った僧の事
であるが、後に、彼らの中から現れた異形の
大道芸をする人を指す。











放下に変装した兄弟が現れる。

兄は、僧形で羯鼓を腰につけ、団扇(うちわ)を
付けた杖をついている。

弟は、俗形で弓矢を持ち、太刀を帯びている。










利根信俊は、二人を近くに呼んで、名を尋ねると
兄は「浮雲」、弟は「流水」と名乗る。














弟の小次郎。

俗形で弓矢を持ち、太刀を帯びて、流水と名乗っている。




















そして、家来は、うっかり信俊の本名を教えて
しまう。














信俊は、僧にしては異様な扮装を不審に思い
杖に付けている団扇について説明を求める。

「団扇は動けば風を出し、静かなら明月の形を
している。風も月も根本は同じもの。」と答える。

そして、今度は流水に弓矢の事を聞くと
「弓の両端には鳥と兎(太陽と月の象徴)を
象っており、清浄も穢れも同一と言う事を表す。」
と答える。






兄、僧形で浮雲と名乗っている。

信俊は、浮雲に、宗派と教えを尋ねると、飄々と答えて行く。




















更に、信俊は座禅の公案(禅宗で悟りを深める
ため師が参禅者に出す問題)について、問い
詰めて行く。













信俊は、二人を気に入り、伴をさせることにする。















羯鼓を打ち、小唄を謡って、軽やかに舞う。















軽やかに舞う。















舞台の外では、雨が一段と強くなる。

帰りのフェリーが欠航になって無いか心配に
なるくらいの雨の強さだ。












(信俊役のワキが傘を残して退場する。舞台上
の傘が信俊を表す。)

舞が終わると、二人は刀を抜いて信俊に切り
掛かる。











そして、二人は、敵討ちの念願を果たし、















後の代に、名前を残した。















この日は、この後、狂言の「因幡堂(いなばどう)」、
能の「鉄輪(かなわ)」が残っているが、船が動く
のか心配になるくらいの雨の降りようで、帰る事
にした。

東廻廊から、枡形の向こうに大鳥居を見た
ところ。









東廻廊から五重塔を見たところ。

また、潮が引いた地面には、鏡の池が見える
はずだが、強い雨でわからない。












東廻廊。















東廻廊から、雨に煙る高舞台方向を見たところ。

右端は、客神社祓殿。













祝言をあげたカップル。

雨を恨めしそうに眺めているが、
熱いカップルには関係ないか!












この後、フェリーの桟橋に着いたら、不安的中で、フェリーが欠航になって、フェリー待ちの人達で
あふれていた。
しばらくして、欠航が解除され、フェリーに乗れた時は、ホッとして、家路につきました。



■参考
・2016年の菊花祭の紹介は、ココ。(←クリックしてね!)
・2017年の桃花祭の紹介は、ココ。(←クリックしてね!)
・2017年の桃花祭 御神能初日の紹介は、ココ。(←クリックしてね!)



 

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